身近にみる日本経済は、一向に景気も改善せず、一部の大手のみが忙しく下請けにまで仕事が回ってこない状態が続いている。
気のせいか物騒な事件が起きるのも年末である。
それはさておき、本題に入る。
先日、実家に電話で話をすると、病院でF先生の奥さんと娘さんと偶然出会ったそうだ。
夏に帰省したおり、生野島にいったことを話すと、いたく感動されたそうだ。
是非来て下さいとの有難い言葉を戴いた。
できることなら、大崎上島と同様、是非、先生が書かれた生野島の歴史の本を電子化できるよう努力したい。
一冊の本を作ることは、大変な努力と地域の多くの人の協力なくして完成はしない。
また、そういった埋もれた本が島にはある。
本の種類は郷土史だけれど、メッセージは「地域に誇りを持て」ということだと思う。
しかし、調べるための資料が図書館でも蔵書がないため苦労している。
本来なら地元の有志の方に賛同してもらえるのがベストだと前々から、思っているが、ここ十年間は前に進まなかった。
今年になって、「旅する櫂伝馬の歴史的な偉業」のおかげで、島の海洋文化、歴史、現状を再認識することとなり、テレビ、ネットなど媒体に取りあげられ、地元の方、またそうでない多くの人に関心をもってもらえる機会が増えた。
そういったこともあり、「大崎上島備忘録」は徐々にではあるけれど、アクセスが増え今まで巡り会うことの出来なかった人達に意見を頂いたりブログをきっかけとして交流ができるようになった。
「記録に残す作業」の重要さは、増してくるだろう。
微力だけれど、地域の理解と愛着を持つきっかけになれば、幸いだ。
モバイルフォンの活用モバイルフォンが日本でも今年はブレークした年なので定着するのは時間の問題だろう。
これら小型PCといっていいツールを使うと、観光マップとも連動でき、ピンポイントで現在の宿、食べ物、交通情報など、載せることができる。
音声案内も可能だろう。
また、お手軽な方法としては観光案合ファイルをダウンロードして使ってもらう方法が簡単かもしれない。
ただ、こういった下地作りは、大手観光地ならまだしも、小さな島では、作る人がいないと、前には進まないだろう。
現実には、作成はあまり難しいことではないので、速く成功事例を誰か作って欲しいと思います。
島の寂れたメインストリートに、少なからず人が戻ってくることのきっかけになればと思います。
海賊イノシシ、島泣かす 瀬戸内海、泳いで移動か2010年12月4日21時9分 朝日新聞
瀬戸内海の島々に近年、イノシシが海を泳いで渡り、海賊のように荒らし回っている。ミカンの木の根を掘って枯らしたり、サツマイモ畑を全滅させたり。高齢化が進む島の農家の被害は深刻だ。
昨年11月下旬、愛媛県今治市の大島近くの海で、釣り船の船長、赤松美佐男さん(42)=広島県尾道市=は、思わぬ光景を目にした。海面にとがった鼻先を突き出してスイスイと泳ぐ3頭のイノシシ。釣り船を始めて十数年、海を渡るイノシシは初めてだ。網でつかまえようと追うと、巧みにターンしてかわされた。数百メートル離れた大島の浜へ上陸すると、山の中へ姿を消した。「泳ぎはものすごく達者だった」と赤松さん。 今治市によると、大島では5年ほど前からイノシシが出現し、特産の温州ミカンなど果樹の枝を折ったり、実を食べたりする農作物被害が出始めた。昨年度のかんきつ類の被害額は約300万円。この5年で3倍に増えた。駆除した頭数も、2005年度に7頭だったのが、今年度は10月までで81頭を数えた。
近くの大三島でも昨年度、かんきつ類に約1千万円の被害が出た。全長1万メートルを超す防護柵で集落を囲った地域もある。
被害は、瀬戸内海の東側でも出始めた。
香川県の小豆島では昨年、初めてイノシシを捕獲した。今年に入ってオリーブ畑が掘り返されたり、タケノコが食べられたりする被害が増え始めた。小豆島の西約10キロの香川県直島町の直島では今春から秋にかけ7件の目撃情報が相次いだ。町は今月中にも箱ワナによる捕獲に乗り出す。
島はどこも高齢化が進んでいて、対応に悩んでいる。
人口600人ほどで、65歳以上が65%に達する尾道市の百島(ももしま)。
一人暮らしの女性(83)は今年、ミカンの木9本のうち2本の根元を春先から繰り返し掘られ、枯らされた。「甘いミカンが一番たくさんなる木じゃった。他の木もイノシシやカラスに一つ残らずミカンを食べられ、涙が出た」
島ではこの夏、60~70代の有志十数人が駆除班を結成し、約30カ所にワナを仕掛けたが、捕獲できたのはまだ数頭。区長の一人、旗手(はたて)牧雄さん(72)は「怖がって農業をやめようかというお年寄りも多い。これ以上増えたら、島はどうなるのか」と話す。
尾道市の担当者は「島の過疎化や高齢化が進んで山が荒れ、耕作放棄地も増えた。絶好のすみかになっているのではないか」と指摘する。
イノシシたちはいったい、どこからやってきたのか。
1980年ごろからイノシシが出没していた広島県大崎上島町の大崎上島では、「本州側から泳いで渡ってきた」「飼育されていたのが野生化した」などの諸説があるという。瀬戸内しまなみ海道の橋で結ばれている島々では、港や海岸に泳ぎ着くイノシシの目撃情報が多い。今治市の担当者は「最も広島県寄りの島から被害が始まったことなどから、広島から海を渡ってきたと考えている」と話す。小豆島では、島の南側の海を泳ぐイノシシがよく目撃されている。対岸の四国側の岬から島の南端まで最短で約6キロで、四国から渡ってきた可能性も考えられるという。大崎上島では、今年はミカンは不作
猪も、食べるものがなくなると、人家の近くに出没するようになる。
好物は、蝉の幼虫や、ミミズだそうだ。
山にある排水溝や、島の環状道路などにある排水溝の落ち葉が、見事にめくりかえっいたことを知った。
犯人は猪で、ミゾにある落ち葉の中で食べるものがないか、かたっぱしから、掃除をしてくれるそうだ。
夜行性だから、暗闇の中にうごめく巨体を見ると怖くなる。
学習能力も高く、縄にはめったにかからない。
体重が80キロクラスもいるそうだから、セットポインターなどの猟犬だと相手にされない。
進入を防ぐ鉄の柵や電気柵を、島の畑で発見するのは、珍しいことではない。
猪のほった原因で裏山から石が落石してくる、山に穴が空くのは、困ったものだ。
困ったことに、イノブタだろうから、繁殖力は極めて高い。
うろ覚えでは、昨年の猟友会などが捕獲した猪は、850頭程度だったそうだから、いったどれだけの猪が島にいるのだろうか?
海に泳ぐだろうことは、シカなど目撃されていたからおそらくそうだろうと推測されていたけれど、実写を見ると泳ぎは得意なのは、間違いないだろう。
彼等にとって唯一の天敵である人間も、年寄りばかりだと、敵にはならない。
猪にとって地上の楽園であることは、まぎれもない事実だ。
猪のお食事のために、限られた時期でしか収穫できない農作物を一瞬にして食い荒らす猪の罪は重い。
猪と住民の生存権を賭けた戦いは、早期に決着をつけないと、彼等の繁殖力が高いため被害は拡大するだろう。
大変な時代だ。