今年上半期のベストセラーに奇跡のリンゴがあります。
無農薬でリンゴ栽培に挑戦した、実話です。
農家の方なら、実体験があると思いますが、農業の天敵は害虫、病気、天候、などです。
実際農家で生計をたてたことがある方ならご存知だと思いますが、農業は決して楽な仕事ではない。
命がけの仕事なのです。
時代のキーワードに今は「農業」という言葉が重宝されていますが、農業も知らない人が簡単にこの職業を語れるほど失礼な話はありません。
一生懸命働いても、最後にイノシシが食べてなにもなくなったなど、笑える話ではないのです。
が、この大崎上島でも非常に軽い発言や発想で、農業を考え軽く扱う人がおり、田舎に似つかわしくないスノッブが存在すること自体、この島の衰退をさす要因のひとつだと考えています。
あれだけの放棄された畑がたくさん存在するのか、想像することさえもできないのでしょう。
話は脱線しましたが、
奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録は、戦いの歴史であり家族も、自分も絶望の淵まで追い込んでしまった、木村さんの実体験です。
ひとつのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合う。
この境地に達するまでの体験は修験僧にちかいものがり、決して空想ではなく、センチイズムでもなく、まさに生きるか死ぬかの絶体絶命の状態まで追い込まれた人間の言える言葉だと思います。
さすがにベストセラーになるだけのことはあります。
図書館の在庫検索で貸し出し状況をみると、どれほど人気の本かわかります。
島が復活できることができるのなら、対象は違いますが、こういった真摯な人が必要なのだと考えます。
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