広島県の湯崎英彦知事と大崎上島町の住民が対話する県政知事懇談会が2日、同町の東野保健福祉センターであった。
造船業やNPO法人、島の福祉にかかわる代表10人が島の実情や県政への思いを伝えた。約90人が傍聴した。
特産のブルーベリーやかんきつ類を栽培する横本悠樹さん(28)は「フルーツの島づくりを考えているが、人手不足がネックだ」。
造船所役員の松浦康登(やすたか)さん(33)は「因島(尾道市)にあるような造船技術者の育成機関を島に」と要望した。
湯崎知事は「多彩な果物をPRできるよう協力する」「力を分散させず、因島の機関を活用する方がいい」と答えた。
会場からは「子どもの内面をはぐくむ芸術に、国と県はもっとお金を出して」との意見も出た。
【写真説明】湯崎知事(左端)と意見交換する大崎上島町の住民
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中国新聞さんの記者は、
上手くまとめているなと思います。
私とえらい違いです。(^_^;)
大崎上島の関係者のみなさん
冷静にこの懇談会を受け止められています。
驚きました。是非見て欲しい大崎上島町の議会中継
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<ご意見の概要>(1)子どもたちの健全育成と伝統文化継承の取組について○参加者
子ども会育成連合会において子どもの健全育成に取り組んでいる。最近の子どもは,塾など忙しい面があるが,いい自然環境に恵まれているのだから,それを子どもたちの心に残るよう,子ども会では自然と触れ合う体験をさせてやりたい。また,くどき保存会の活動を通じて,島の歴史が刻まれているくどきを伝統文化として伝承していきたいと考えている。 ※くどき…盆踊りの際やぐらの上で歌うこと
●知 事
県でも「山・海・島」体験活動推進事業で,小学生による島や山での生活体験を推進している。自然に触れる事は子どもにとって大事だと思う。
(2)人づくり,まちづくり活動の取組について○参加者
「瀬戸内 海の道構想」の実証事業に,櫂伝馬を一つのテーマとして参加するなど,人づくり,まちづくりの活動に力を入れている。人づくりに関しては,短期間では成果が出ないことなので長い目で見ていただきたい。またこういった活動にはファンド等を設立し,財源支援をしていく必要があるのではないか。広島県の「挑戦そして実現」のためにはやはり人の力が必要になってくると思う。
●知 事
海の道構想の実証事業では,きれいな海や山を世界の人に十分満喫してもらえるように頑張ってほしい。人づくりに時間が掛かるのは重々認識している。是非長く取り組んでいただければと思う。
(3)障がい者支援の取組について○参加者
障がいのある方が通う施設「ふれあい工房」で働いている。イベントや祭りに参加して地域の人とコミュニケーションをとるようにし,職員ともどもかわいがっていただいている。また,生活相談窓口の業務もしており,島の人たちの悩みを聞いたり,料理教室を開いている。もともと島出身でなかったからこそ,島の魅力的な部分が感じられるのだと思う。お互いに支えあえる社会を目指して頑張りたい。
●知 事
そういった社会的な活動をしながら島を愛していらっしゃるのは,島の人たちにとってはとても嬉しいことだと思う。外からの視点は,地域の中からの見え方とはまた違うので,地域のいいところを皆で共有していくと,より郷土愛が深まっていくと思う。
(4)特産品開発の取組について○参加者
商工会女性部で,島の特産品として「つわぶきの佃煮」の製造販売を行っている。そのほかに,地域で開催される各種イベント,お祭りなどにも参加し,地域の活性化に取り組んでいる。しかし,部員の高齢化,若い方の加入の減少で,新たに事業を展開していくのが少し厳しいと感じている。
●知 事
若い人の加入が減り,実際動く人が限られてくるというのは他の団体でもよく問題になっている。男性に手伝ってもらうのもいいのではないか。でも100人もメンバーがいらっしゃるのはすごいと思う。
(5)造船技術者育成の取組について○参加者
大崎上島は昔から造船の島と形容されているが,最盛期は20社ぐらいあった内航船の造船所が今では数社に減少してしまった。島を盛り上げるため,船の建造状況を発信するホームページを開設し,造船のことを知らない方からも興味を持ってもらえるよう活動している。しかし,造船に従事する従業員や職人の高齢化が進んでおり,若い人への技術伝承も難しくなってきているので,因島の技術者育成センターのような施設を大崎上島にも作っていただければありがたい。
●知 事
県内で場所や設備,指導者の力が分散するのはもったいないので,因島のセンターに受け入れてもらうのはどうか。協力したらとてもいいと思う。また別に中小企業の職業訓練はいろいろな支援制度もあるので,組み合わせながらできたらいいのではないかと思う。
(6)農業における人手や資金の不足について○参加者
Uターンして柑橘とブルーベリーを栽培している。大崎上島産のフルーツジャムを東京の高級スーパーに出してPRしている。そのおかげで周知されるようになり注文はたくさん来るのだが,絶対量が少なくすぐに品切れになってしまう問題を抱えている。人を増やし,栽培地を広げる必要があるが,人員,資金ともに調達が難しい。いずれは果物全般を生産し,フルーツの島というイメージを定着させたいと考えている。
●知 事
「フルーツの島」はイメージもよく,他でも狙っているところがあると思うが,四季に応じて色々な果物を作って頑張ってほしい。農業の規模の拡大は広島全体での課題になっている。行政としても,ご協力させていただければと思う。
(7)コミュニティー内の高齢者支援の取組について○参加者
地域福祉や,島の高校の同窓会活動を行い,地域内の人々の交流促進に力を入れている。もともと大崎上島ではご近所付き合いを大切にする気風はあるが,高齢化がかなり進んでいるので,よりお互いに支えあう,遠慮のない付き合いが出来る地域づくりをしていきたいと思っている。同窓会活動では,学校と地域のつながりを深める活動を行っている。
●知 事
普段からの付き合いがあるからこそできることで,昔からの人のつながりは大崎上島のいいところだと思う。子ども達は生活が現代化しているというが,大人になる過程でコミュニティーに関わることも増えていくのではないだろうか。
(8)住民の交流促進活動について○参加者
空き家を使った交流施設「よってみんさい屋」を立ち上げ,ものづくり,学び等の場を提供している。また地域の方の手作りのものを展示できるギャラリーを設けるなど,地域の方々との交流の場になるよう活動している。最近では男性にも参加していただけるよう活動の幅を広げている。
●知 事
予算をたくさん使って何かをやるよりも,たくさんの人を巻き込んで活動していくことがうまくいく秘訣だと思う。皆が考え,少しずつ貢献する組織が,長続きして拡大していくように感じる。
(9)地域活動における少子高齢化問題について○参加者
連合区長会として,地域の活性化,協調のために,祭りや櫂伝馬競漕などを実施しているが,少子高齢化によって,参加者が減少している。櫂伝馬競漕では参加地域の枠を広げたり,小学校や中学校に参加を呼びかけたりして何とか継続させているが,祭りは寄付でやっているので,金銭的にも厳しくなってきている。また祭りなどを通して島の将来を担う子どもたちを見守る活動にも力を入れている。
●知 事
本当に苦労されながらも,歴史や思いを大事にされて,地域の活動を守っていらっしゃる。力を合わせてこれからも是非頑張ってほしい。
(10)祭り等イベントを通した人とのつながりについて○参加者
この島の出身で,広島商船高専に通っているが,櫂伝馬や祭り,普段の生活を通して感じられる人とのつながりがこの島の売りだと思っている。就職して島の外に出ることになるが,櫂伝馬競漕などイベントの際には島に戻って参加したい。また島の外の人にも大崎上島の魅力を伝えていきたいと思っている。
●知 事
島外で就職されるというが,何か期待や不安はあるか。将来島に帰ってきて住みたいと思うか。
○参加者
島外とは言ってもすぐに帰って来られる距離なので不安はない。いずれは島で暮らしたいと考えている。
<自由討論>(1)若年層の地域活動への参加について●知 事
島の活性化等の活動に若者がなかなか入ってこないという話があったが,なぜだと思うか。
○参加者
イベント関係者として参加することはよくあるが,自分個人で参加することはなかなかない。情報が入ってこないものもたくさんあると思う。
○参加者
女性会の勧誘に行っても,若い人たちにとって,女性会はあまり魅力がない,メリットがないと言われたことがある。
○参加者
「新しい公共」という考え方があるが,そのような世代を超えたプラットホームが今この島で必要ではないだろうか。若い人に島に戻り,そこに入ってもらうためには,雇用の問題もある。NPO等色々な世代の方が集まる場を作りたいと思っている。
(2)Iターン,Uターンについて●知 事
島として,Iターン,Uターンをして来た方々を温かく受け入れる気風はあるか。若い人も就農を望んで島に来ているのか。
○参加者
まだ少ないが,勤めをやめてUターンして農業をしている若者もいる。また,定住促進のための空き家バンクもあり,少しずつ島にこられている。
●知 事
これから農業をやりたいという移住者は非常に多くなっていると思う。ぜひ定住促進運動を頑張ってほしい。
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