広報一月号から抜粋
高齢化や島の交通問題など。産官学連携で、これら地域課題解消に取り組む動きが活発になっています。
ここでは、先の町民支援セミナー(昨年10月31日開催)での研究発表と講演の内容をお伝えします。
町民支援セミナー(昨年月日開催)での研究発表と講演の内容
大崎上島竹原のフェリー航路のありかた田中康仁さん
(広島商船高等専門学校流通情報工学科准教授)
本校の学生たちが、持続可能なフェリー航路のありかたを探る研究をしています。
人口の減少や大崎下島への架橋開通による影響等で収益の減少に悩む運航業者が、サービスを低下させないで事業を維持するにはどうすればよいか。
フェリー会社へのヒアリング(聞き取り)と利用者の意識調査を行いました。利用者は、より安く、便数を多く、最終便を遅くと望んでいます。
同等要件の他の航路と比較してみると、人の運賃は同程度かやや低め、車両はやや高め、便数は多いほうだと言えます。
ただし車両でない乗客にとっては、大崎上島側の港がつに分かれていることが使い勝手に影響しています。
利用状況をみると、約半数の便が3分2のの大きさの船でも運航が可能と見られ、フェリーサイズの縮小化を改善策の一つとして提案しました。
1.今後の課題として、他の交通機関との連携強化を検証する。
2.フェリーの運航に関して事業者と住民の相互理解を図る。
3.2つのフェリー会社間の連携。
4.島民割引の検証を行う必要があると考えます。
広島商船も引き続きお手伝いしたいと思っています。
おと姫バスの有効利用に向けて岡山正人さん
(広島商船高等専門学校流通情報工学科教授)
高齢者のモビリティ(移動のしやすさ)の確保を目的に、平成年から運行を開始したおと姫バス。
本校では、このコミュニティバスの運行や存在意義に関する研究と満足度の向上に関する研究を行っています。
昨年月に実施したアンケート調査( 歳以上対象、のうち票回答)結果によると、おと姫バスは、島のイメージアップや活性化にも貢献していると考えられていることが見えてきました。
ほとんどの人が必要と認めており、その過半数が将来自分や家族が利用するかもしれないからを理由としています。
運行にかかる経費( 2008年度)は約2,400万円。
うち運賃収益は500万円で残りは町費負担です。長期的な継続には、収益のアップと合わせて町費負担の軽減を考えることが必要です。
アンケートでは、おと姫バスの廃止を仮定して、年間いくらなら寄付してもよいかを問いました。
その結果は一人当たり平均2.121円、これは他の地域のバスと比較しても高い金額で、町民がおと姫バスの経済価値を高く評価していることが伺えます。
昨年度、学生たちが時刻表を作成しました。利用しやすさの向上を考えたものですが、さらなる要望に応えて今年度はポータブル時刻表づくりに取り組んでいます。
利用者の声を反映した使いやすいものが出来上がる予定です。
お楽しみに。今後もご意見を聞きながら改善・進化させていきたいと考えています。
それから、大崎上島のお出かけ情報案内システムしまナビを開発し、バスの中でバス停近くの主要施設や交通機関に関する情報をリアルタイムに見られるようにする計画が始まっています。
ゆくゆくは観光客の利用にもつなげたいです。ご期待ください。
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