国勢調査:県人口、減少幅拡大 前回比0.7%マイナス /広島
◇高齢化、若年層転出響く 2011年1月19日 地方版
県は18日、5年に1回の国勢調査の結果速報(10年10月1日現在)を発表した。県の人口は285万6566人で、前回(05年)に比べて0・7%(2万76人)減った。ピークの1995年(288万1748人)から3回連続の減少だが、過去2回の減少幅はいずれも0・1%にとどまっており、今回は大きく広がった。
県が毎月実施している人口移動統計調査によると、05~10年の5年で、県内の死亡者数が出生者数を4101人上回る自然減に初めて転じており、湯崎英彦知事は「人口減少はもう避けて通れない」との認識を示した。
人口が増加したのは3市町で、増加率が高い順に(1)坂町(7%)(2)東広島市(3%)(3)広島市(1・7%)。他20市町はいずれも減少した。減少率が高い順に(1)安芸太田町(11・9%)(2)神石高原町(10・6%)(3)江田島市(9・8%)(4)大崎上島町(8・5%)(5)世羅町(7%)--などとなっており、県北部や島しょ部で減少傾向が強かった。
人口増加率が最高だった坂町は、子育て世代向けを含む県営・町営住宅の整備や、分譲マンション建設、県警察学校などの移転に伴う県警の寮整備を要因に挙げる。
一方、減少率が最も高かった安芸太田町では、少子高齢化が急速に進む。65歳以上の割合は県内2位の43・4%(10年3月末現在)で、県全体の23・4%を大幅に上回る。年170人程度の人口の自然減が発生している。
県の人口移動統計調査ではこの5年、毎年、県全体で転出が転入を2000~3000人程度上回っており、特に20代前半の転出超過が顕著になっている。湯崎知事は、教育や雇用の環境整備で歯止めをかけていく考えを示した。【樋口岳大】
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◇10年国勢調査結果速報 市区町別人口
市区町 人口 増減数 増減率
中区 130442 2679 2.1
東区 120764 ▼ 458 ▼ 0.4
南区 138224 350 0.3
西区 187051 2256 1.2
安佐南区 233839 14496 6.6
安佐北区 149708 ▼ 3008 ▼ 2.0
安芸区 78857 2201 2.9
佐伯区 135324 1302 1.0
広島市計 1174209 19818 1.7
呉市 239553 ▼11450 ▼ 4.6
竹原市 28655 ▼ 2002 ▼ 6.5
三原市 100449 ▼ 3747 ▼ 3.6
尾道市 145217 ▼ 5008 ▼ 3.3
福山市 457268 ▼ 1819 ▼ 0.4
府中市 42557 ▼ 2631 ▼ 5.8
三次市 56613 ▼ 2701 ▼ 4.6
庄原市 40255 ▼ 2894 ▼ 6.7
大竹市 28848 ▼ 1431 ▼ 4.7
東広島市 190043 5613 3.0
廿日市市 114062 ▼ 1468 ▼ 1.3
安芸高田市 31497 ▼ 1599 ▼ 4.8
江田島市 27018 ▼ 2921 ▼ 9.8
府中町 50448 ▼ 284 ▼ 0.6
海田町 28477 ▼ 660 ▼ 2.3
熊野町 24539 ▼ 564 ▼ 2.2
坂町 13267 868 7.0
安芸太田町 7259 ▼ 979 ▼11.9
北広島町 19970 ▼ 887 ▼ 4.3
大崎上島町 8450 ▼ 786 ▼ 8.5
世羅町 17550 ▼ 1316 ▼ 7.0
神石高原町 10362 ▼ 1228 ▼10.6
県計 2856566 ▼20076 ▼ 0.7
※人口、増減数は人。増減率は%(▼はマイナス)
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