ニュージーランド・クライストチャーチ市の大規模地震を受け、19年前に現地で公演をした広島県大崎上島町の和太鼓グループが募金活動を始めた。メンバーは「活動が長く続いたのもニュージーランドで国際舞台を経験したから。何とか恩返しがしたい」と話している。
グループは、旧大崎町で結成した大崎なぎ太鼓保存会。1992年3月の国際芸術祭に高校生を含むメンバー15人が参加。1年前から猛特訓し、1曲だったレパートリーを8曲に増やして臨んだ。
和太鼓とシンセサイザーを演奏し、結成3年目の舞台は盛況だった。現地の新聞、テレビでも大きく紹介された。
それだけに、地震の映像にメンバーはショックを受けた。演奏は首都ウェリントンが主だったが、クライストチャーチにも約5時間滞在した。当時の会長で今もメンバーの今田均さん(58)は「大聖堂を訪れ、近くでお弁当を囲んだ」と話す。
現在20人の保存会は経験者7人が残り、現地の人とは今も手紙のやりとりが続く。今田さんは「困っている時こそ、少しでも力になりたい」と募金を広く呼び掛けている。
【写真説明】ニュージーランドで市民と交流する保存会のメンバー(1992年3月)
PR