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旅情瀬戸内海

インターネットで今日は、布田源之助さんの書かれた「旅情瀬戸内海」を検索し幸いにも、近くの図書館の蔵書として該当したので、さっそく借りてみることにした。
インターネットのない時代と比べ、物事を調べるのに大変便利になった。
こうしてすぐに手元に貴重な本を見ることができるのだから。



しかし、筆者である布田源之助(ふだげんのすけ)さんのプロフィールがネットでも載っていない。

検索をかけると私のこのブログが上位にヒットするぐらいだから、あまりみなさん興味がないのだろう。

布田源之助さんは、明治32年熊本市に生まれる。関西汽船初代旅客課長、海洋旅行専務取締役を歴任されてきた。

この本は、海文堂という船舶を主に扱われている出版社から生まれた。
海文堂は、今も健在で、海文堂書店はその手の人には有名な場所だそうだ。
http://www.kaibundo.co.jp/

しかし、昭和37年という時代背景を考えると、山陽新幹線はまだできていなかった時代だから、海運と陸運のバランスは観光に関してはまだ日はあったのだろうけれど、1972年(昭和47年)3月15日に新大阪駅 - 岡山駅間が開業、1975年(昭和50年)3月10日に岡山駅 - 博多駅間が開業したころになると、海の貴婦人の時代は終焉に追いやられていったのだろう。

これでは、廻船問屋と同じ運命じゃないか。

肝心の本の中身ですが、この本の中には、木ノ江の松本旅館に滞在して、おちょろ舟が停泊している船にむかってアタックする様子など面白く書かれています。
また、御手洗の遊郭の話、知らなかった幽霊の話も書かれています。大山祇神社、海賊・水軍の話題も詳しく書かれています。



昭和に入って大崎上島や周辺の場所で記述された内容は、ソースが同じなのか着眼点が似通ったものが多く、どうしても重複してしまう記述が多いです。

井伏鱒二の「消えたオチョロ船」と同じことがあげられています。



小さな港町ですから、どうしても重なってくるのは、しかたのないことかもしれません。

瀬戸内海を総論で書こうとすると、どうしても小西和著「瀬戸内海論」があまりに素晴らし本であるため、残像が脳裏によぎってしまいます。
「瀬戸内海論」は、「論語」に匹敵する傑作だなと、いまさらながら感じてしまいます。
※小西和でブログ内検索をしていただくと過去の記事がヒットします。

ここ最近、心のムヤムヤで思っていることは、興味本位で色事としの「オチョロ舟」のことでしか書かれていないので、瀬戸内海周辺でこのあたりは、常に退廃的なイメージをもたれてしまうことは、ちょっと心外かなと感じています。(いい加減にしろよ)

井伏鱒二の「消えたオチョロ船」に関しては、小説家としてプロの仕事をされていて、まったくもって「さすが」と感じますしクリアーしています・・・・・・・・。
宮本常一さんは、知っていたが、触れなかった・・・・・・・
沖浦和光さんは、民族としての瀬戸内海を解析していった・・・・・

御手洗の遊郭の例の話
いったい当時の遊郭の身分制度はどうなっていたのだろうか?
花魁が禿の不手際にかんしゃくを起こし、煮えたぎったかねを注ぎ込んだ

不手際に対してかんしゃくを起こし、いわば殺人行為に及んでしまう
いわば、人間の狂気そのものが、ここには表現されていて、しかも、その背景を誰も分析していない

「幽霊がでる」とは、実世界の罪悪の心が反転して、真理に目覚めたからか・・・・・
無意識が行動として善悪は別にして、結果として現るわけだから、この事件の真相はハィンリッヒの法則のように、根底は深い要素が隠れている。

事故として偶然とりあがられただけで、実際は隠れた事故はたくさんあった。

物語の一部として読むにはいいけれど、実際におきたことに対して、どう説明できるのだろうか?

人間の深層心理が深く影響されていて、結局は、「トラウマとして表現にすることはできないけれど、興味がある」「今も幽霊はでる」という状態がずっと続いてきているのではないだろうか?

単なる色事、怨念、いえいえ、そんな浅いもんじゃありません。

社会を形成する段階で、もっと巧妙に、組織だって対処方法が出来上がっていた

男性だから古典的マッチョな考え方で捉えるのは、いまどきじゃない。

こんなことを書くとおそらく、このブログ、読者が一気に増えるだろうな~~~!
うれしいことに、私のブログを真剣に読んでくれる人が増えてきました。

いずれにしても、自分の中で総括してみたいテーマです。
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