山田洋次監督(80)のデビュー50周年記念映画「東京家族」のロケ地に、広島県大崎上島町が内定した。製作会社の松竹が明らかにした。
地元関係者によると、山田監督は2010年10月を最初に同町を3回訪問。島の港やミカン畑、造船所を望む風景などを見て回り、構想を練ったという。高田幸典町長は「私たちの町が選ばれるのをうれしく思う。島の良さをアピールしたい」と歓迎する。
作品は、家族の絆を描いた巨匠小津安二郎監督の代表作「東京物語」(1953年)をリメーク。東京で暮らす子どもを訪ねる老夫婦の郷里を、尾道市から大崎上島町に置き換えるという。
山田監督はデビュー50周年だった昨年、撮影入りを予定していたが、直前に東日本大震災が発生。「脚本を全面的に見直し、戦後最大の災害を経た東京を描きたい」として製作を1年延期していた。震災を踏まえた家族の在り方などを盛り込み、2月末から撮影入りする予定という。
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