10/3/24
▽病院側、4月から訪問看護開始
患者の減少で赤字が続く広島県立安芸津病院(東広島市安芸津町)を支援する住民の会が今月発足した。
病院と連携して公開講座やアンケートを実施し利用を呼び掛ける。
病院側は、地域住民の高齢化への対応と在宅医療の充実を目指し、4月に訪問看護を始める。
安芸津病院は町内と竹原市、大崎上島町、呉市安浦町を診療圏とする地域の中核病院。
呉市の医療機関への患者流出などで、昨年度の利用者は延べ約13万2千人となり、2004年度に比べ17・5%減少した。
昨年度の経常損益は約3億円の赤字で、本年度もほぼ同額の赤字となる見通しだ。
昨年4月に150床のベッドのうち50床を休止。
土日の小児診療も広島大の医師派遣取りやめで10月から中止した。
8人いる内科医師が広島大医局の異動で4月に2人減る。
支援する会が18日夜に商工会館で開いた会合には約35人が参加。
大木昇三会長は「病院は地域の頼みの綱。存続に向けて知恵を出してほしい」と訴えた。
井上正規院長は「職員一丸で改革を進め、難局を乗り越えたい」と述べ、通院の難しい高齢者たちへの訪問看護に乗り出すことを説明。
診療報酬を確保するため患者の平均在院日数を21日以内とする一方、急性治療を終えた亜急性患者に対し、一部の病床で90日間を上限にリハビリなどを始めたと報告した。
支援する会と安芸津病院は4月3日、骨粗しょう症や消化器疾患をテーマに公開講座を安芸津公民館で開く。
6月ごろには、病院に必要な改善点などを住民に聞くアンケートも実施する。(境信重)
【写真説明】安芸津病院の現状について井上院長(手前)から説明を受ける住民
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